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[Bar の絵]

イタリアの Bar

多分どの旅行本を見ても書いてあることだろうが, イタリアで Bar というと日本でいうバーとはちょっとニュアンスが違う。 中学とか高校の頃に, 学校の近くの駄菓子屋でパンとか牛乳とかサイダーなどを買って傍の椅子に座って飲んだりした経験は誰にでもあると思うが, その方がよりイメージが近いかもしれない。 違うのは, こちらではおじさんやおばさんも同じことをしているということである。 (特に町はずれの方の Bar なんかではお年を召された人しかいないことが多い。) 或いは最近で言えばコンビニエンスストアも似たような感じだろうか。 ともかくカウンターがあってカフェを出すようなところはすべて Bar であると思われる。 これだと喫茶店も含まれてしまうが。

Bar の数と種類

日本での私の家から最寄りの駅までは歩いて18分, 大学までも18分なのだが, その間にコンビニが 7 件ある。 付近のものまで入れればその倍はあるだろう。 が, 例えば Padova 市内の Bar の密度はもっと濃いはずである。 それでもやっていけるのは一日に何回も Bar に入る人が多いためであろう (Bar でカフェ参照)。 Padova の中心近くに横断歩道のかわりに地下道で渡れるところがあるのだが, この短 い地下道の中にもちゃんと Bar があって感動する。

冒頭にも書いたが, 一口に Bar と言ってもいろいろあるし, 開いている時間も様々である。 イタリアについて空港に降りればそこには Bar があるし駅にも大抵ある。 小さな Bar では席が 3〜5 席しかないこともあるが, 一番多く見かけた(というか単に目についただけかもしれないが)のは 15〜30 席数くらいのものである。 夏には外のテラスに席を置いていたりする店もある。

どういう客を相手にするか, 隣にどんな店があるかで Bar の品揃えは変わってくる。 例えば, 大学の門の前の Bar は隣には菓子類を置いてある店があり, 更にすぐ近くにいろんなビールが飲める店があったりした。 そのためか営業時間は午前中から夕方にかけてで, 主にカフェや水を飲んだり, アイスなんかを買っていく客が主だった。

そこから数十メートル程の所の通りに面したところにも Bar がある。 ここは立ち飲みが専門みたいなところで, その代わりに飲み物の種類は多い。 昼に喉が乾いたかいうときにここでアルコール度の低い冷たい飲み物なんかを飲んでいくというパターンが多そうな感じだ。 grappa の瓶なんかも沢山あった。

Padova 大学の人と Mensa で食事をした後に必ず入っていた Bar がある。 ここのカウンターのお姉さんが良く BGM に合わせてリズムを取ったり軽く踊ったりしていたのだが, それが妙にセクシーだった。 一緒にいた一人が, 彼女は顔は今一だがバストが豊かで形がいいので得をしているとか言っていた。 十分奇麗なのにというと、おっ、君はあの娘が好みなのかと言われてしまったが。 それはともかく 我々はここではカウンターの前でカフェを飲んですぐに立ち去るというのがおきまりのパターンだったのだが, 中で一人で論文を拡げている人もいた。 奧の方にはけっこう座る場所があったので, Mensa 帰りの学生のたまり場になっているのかもしれない。

この Mensa の近くにはもう一軒 Bar があり S先生がいたときには良く一緒に入った。 ここはどちらかというと座って飲む人が多いような感じで, 喫茶店に近い。 地下には, ビリヤード場もあった。

通りに面した所に窓口みたいなのが開いている所もある。そうでなくても外から見えるケースにサンドイッチを置いているような所ではテイクアウトで買っていく人も多い (Bar でお食事参照)。

普通の Bar は 8:00 頃に閉まってしまうのだが, 夜遅くまでやっている Bar も勿論ある。 イタリアでは普通の商店は 7:30 から 8:00 くらいに閉まってしまうので, 夜中の 11 時頃にコーラ6個下さいと言って買っていく人もいた。 こういう所は日本のコンビニ感覚である。 一般に夜やっているような店はネオンなんか輝いていて, 暗いときには目立つのだが, 午前中は閉まっていたりする。 私が泊まっていたゲストハウスの近くにそういう Bar があり, 無愛想な姉ちゃんがカウンターの中でピッツァを食べつつ客の相手をしていた。 都築さんがこの店を気に入って, 何度も行こうと言われた。 因みにこの店の奧の方にはゲーム機が置いてあり, さらにビリヤード場もある。

夜型の Bar と言えば, Firenze に行ったときに夜の 10:00 頃に入った Bar がある。 ネオンがきらきらしていて, 夕方頃 (といっても 9:00 頃だが) は通りにテラス席も置いていたりしたのだが, 隣が混雑しているにも関わらずこちらは閑古鳥が鳴いていて, 一緒に行った友人と潰れないか心配していた。 お店の人らしいお姉さんのが前に立って通りをぼっと眺めていたりしたのを見た友人がここに入ろうと言ったので入ることにしたのだが, 実はここはお酒を飲むのが専門のところで, 入ってしばらくすると次第に混んできた。 9 時台はまだまだ食事時で, お酒を飲みだすのは 10 時過ぎということか。 これは, Padova 大学の前のビール専門の Bar でも同じで, 土曜日でも 9 時頃は殆どがらがら状態だったのが, 10 時頃には満席で立ち飲みしている人も多い程に混んでいたのを憶えている。


Bar の飲み物

サンドイッチなんかを置いてある Bar も多いのだが, 基本的には Bar は飲むところである。 何が置いてあるかは勿論 Bar によって違うのだが, 私が Bar で飲んだことのあるものを挙げてみる。
Caffe
所謂, espresso
Cappuccino
カプチーノ。昼に飲むのは邪道!? (espresso の項を参照)。
Acqua minerale
水。単にこう言っただけだと, Gassata (con gas) o senza gas ? などと聞いてくる。 炭酸ガス入りかそうでないかという意味だが, だまってガス入りの水が出てくることもあるので, 私みたいにガス入りがいやな人は最初から指定すべきである。
Chinotto
イタリアで良く見かける缶ジュースの一種。ドクターペッパーの様な味がする。 もっとも私はドクターペッパーを殆ど飲んだことがないので違うかもしれない。
Aranciata
オレンジジュース。 私が行くような店だとファンタオレンジの類が出てくることが多かった。 頼んだときに Dolce o amaro と聞かれたこともある。 甘いやつか苦いやつかということだが, これは缶ジュースにその二種類あるからだった。 (苦いやつも甘いし, そっちの方が美味しい。) Cola とかもそうなのだがこの類の飲み物を Bar で飲むと L.2500〜L.2600 (200円)くらいするのが普通である。 来た当初はイタリアは物価が高いのかと思ったのだが, 実はスーパーで買えば L.1000 以下で, 日本と同じくらいだった。
Spremuta
フレッシュジュース。「地球の歩き方」には Spremuta di Limone などと言うと書いてあるが, 実際には果物の名前をそのまま言えば良い場合が多いのではないかと思う。
Spumante
発泡性ワイン。(志賀先生から教えて貰った。)
Gingerino (綴り自信なし)
カンパリソーダみたいな物が出てきた。(ノンアルコール)。
Vino
ワイン。Padova の時計塔の近くにワイン専門のバーがあって, いろんな種類のワインを出してくれる。 (もっとも, 高いのは置いてないような気がするが。)
Birra
ビール。勿論頼む時は Corona とか Beck とか Hinecken とかのように, 銘柄を指定する。

Bar でカフェ

小さな Bar とかでは, 数人でどどっとやってきて Caffe を頼み, 5 分くらいで飲んで出ていくというパターンが多い。 だからこそ日に何回も Bar に入るのだろうが。 Padova にあるようなところだと, ちょっと席が多いようなところでも座って飲もうが立って飲もうが値段は変わらなかった。

Bar でお食事

サンドイッチなんかを置いてある Bar も多いし, 少し大きめの Bar ではピッツァとか野菜サラダとかいろんな物が食べられたりするところもある。 昼飯を Bar で食べる人も多いようだ。 年を取った人なんかが朝食を Bar で取っている光景も良く見られる。 (それだけでなく朝っぱらからお酒を飲んでたりすることも多いが...)。 イタリアではレストランに入るとすぐに L.20000 とか L.30000 とかいってしまうので, お金の無い人はこういうところで昼を食う技術を身につけるのが大切だと思われる。 (Mensa が使えれば別。 最近では, 手頃なセルフの店も増えてきたみたいである。 もっともセルフと言えども店によっては L.30000 とかしてしまうこともある。)

忙しいところ, もしくは混雑時には最初にレジでお金を払ってレシートを貰い, それをカウンターに持っていって注文することになるが, そうでない場合には, 最初に適当に注文して, 食べ終えた後に飲み食いしたものを申告してお金を払うのが普通みたいだ。 ここら辺りは割といい加減なような気がした。 多分, 常連客かそうでないかでも違うだろう。 後者の場合には自分が何を食べたかをきちんと把握することが大切である。

買ったものを外で食べることだって出来るし, そういう光景も良く見る。 take out は portare via という (原型)。 例えば相手の人が porta via ? とか聞いてきたら Si と答えればよい。 自分から言う場合は良く知らないが, Vorrei portare via とか Porto via とか言えば, 少くとも意味は通じると思う。 正確にどう言うのかはちゃんとした人に聞くか調べるかしましょう…。


Bar でゲーム

最初に断っておくが, イタリアにもゲームセンターはある。(そりゃあるって。) Padova 市内にも二箇所みつけたし, Venezia の本島でも, Lido 島 でも見かけた。

が, そういうところにある最新のゲーム機とは違う, 昔ながらのゲーム機?が一個とか二個 Bar に置いてあることが多い。 スロットマシーンみたいな感じなのだが, 店によっていろいろ種類が違う。 そしてやっている人を見かけたことも何度もある。 (結局ルールは分からなかったが...。) 若い姉ちゃんがやっていたこともあれば, ちょっと酔ってるおじさんとか, ちょっといい格好をしたお兄さんなんかがやっているのも見た。

Bar の中にビリヤード場があるというケースもままある。 夜中のテレビでもビリヤードの試合が中継されてたりするが, 大抵ポケットがなく中央に赤と白の5つのピンを立て, 三つのボールを使って得点を競うものをやっていた。 (正式な名前は何というのか知らないので, 誰か知ってたら教えて下さい。) (後で調べたところ、これはファイブクェールとかいう名前のゲームらしい。 難易度が高いのでプロ向けらしいのだが、Goriziana というピンの数を 9 個にしたものもあって、イタリアでは流行ってるみたいだ。 少なくとも Goriziana の方はイタリア生まれらしい。)

町はずれの Bar では, おじさん連中が外でボールをぶつけるゲームをやっているのも二三度見かけた。 これは最初に小さな赤いボールを転がし, 二組に分かれてそのボールに出来るだけ近く大きなボールを転がすというものである。 ティラーレとかいって, 他の人のボールにぶつけて吹っ飛ばすことも出来る。 一緒に居たフランス人の女の子が, これはフランスのゲームなんだと言ってルールを教えてくれた。 こちらでは投げる時に歩いているが, フランスでは動いてはいけないんだとか細かいルールの違いもあるみたいだが。 大概は負けた方がおごるとかいう決まりになっていることもあって, いい年をしたおっちゃんがこっちのボールの方が近いとか文句を言いあう姿も見られてなかなか楽しい。


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