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[Venezia の絵](561bytes)

Venezia

Venezia は Padova から電車で 30 分弱で行ける。 そのためか観光に行く人でも高い Venezia のホテルを避けて Padova に宿を取ることがあるらしい。 私の一年前に Padova に来た T 氏は、週末に飯を食って新聞を買うためだけに Venezia に行ったりしていたとか。 逆に日本から Padova に来る場合も、Venice 空港で降りるのが便利。 もっとも、このような絶好の場所にいたにもかかわらず、真面目に観光したのは一日だけだった。

で、だんだん書くのが面倒になってきたので、以下、単に日記を圧縮するだけに。

「土日は避けよう」「朝早くから行かないと閉まってしまう所も多い」という教訓から3/21 (Fri) の朝 8:45 に S 氏と O 氏と待合わせてバスで Padova 駅に行き IC で Venezia Santa Lucia に。 (一つ手前の Venezia Mestre で降りないように。) 特急だと料金は普通列車の倍の L.7000 (550 円くらい) かかるが、実は時間はそんなに変わらないのだった。

Venezia はラグーナの上の乗っかっているわけだが、基礎工事として、やにとか油等を塗って防腐処理を施した松の木をまず沈めて、その上から石を落として作ったらしい。 それでも段々と地盤沈下しているとかいう話も聞いたが、今でもこうして立派な都市として機能しているところが凄いと思う。 水不足緩和のためにに地下に雨水を貯める場所なんかもあるらしい。 もっとも陸の方から水を引いてきてもいるようだが。

駅を出ると、車は一台も走っていない。ここでは Bus とか Taxi と言えば船のことを指す。 地中海で干満の差が少なく波も殆どないとは言え、水面と地面の高さの差が少ないのにも驚く。 冊がない部分も多いのだが、夜とか落っこちたりしないのだろうか。

Basilica De S. Maria Gloriosa Dei Frari

最初に入ったのが、この教会。壁には絵や彫刻がちりばめられている。イタリ アでは、このような教会は珍しくないが、絵の美しさにはまいった。奥の方の 小さな部屋に飾られていた絵は、遠近法を使って周りの枠調和するように書か れているのだが, 最初見た時は実際に絵が湾曲しているのだと勘違いしてしまっ た。

聖ロッコ大信徒会会堂

次に入ったのが、この教会。所謂 Scuola というものの一つなのだが, 昔は互 いに競ってこれらの建物を建てたのか, とにかく手が込んでいる。壁や天井は 沢山の美しい絵で埋め尽くされ, 床も大理石を組み合わせて美しい紋様が施さ れている。イタリアに来て間もない頃だったこともあり、かなり強烈な印象を 持った。

リアルト橋

ここはいつ通ったのか忘れたが、有名な橋らしく、周りには沢山の出店がある。 春先のカーニバル用の仮面とか、へんてこりんな帽子とかが目についた。ガラ ス細工なんかも有名らしい。この橋の下を船が通っている風景を見ていると、 いかにも Venezia だなあという気分に浸れる。

そういえば Padova に近いにも関わらず、portico はあまり見かけない。 とある人によると、これは狭い土地ゆえだそうである。 そういえば、ここでは路地が狭く、所狭しと建物がひしめきあっている。 小さなトンネルみたいなところを通らなければいけない場合も多い。 昔は多くの場所で portico が見られたそうなのだが、それが取りはずされた原因はやはり土地の問題だったのだろうか。

昼飯を食べに行く途中、中世の格好をしているお嬢さんが立っていた。 S 先生が声をかけて写真を撮っていた。 こういうところは見習わなければならないと思う。語学上達のこつというか…。 昼飯を食べてから水上バスの一日券を買い、運河経由でサンマルコ広場まで行く。 因みに昼食はけっこう高いレストランに入ったのだが、どうせここでは観光地料金が入るので、入るなら高いところに入るか、思い切り安くするかした方がよいみたいな気がする。

サンマルコ寺院 (Basilica San Marco)

ここには13世紀ヴェネツィアの十字軍がコンスタンティノープルから持ち帰った四頭の馬の像が置いてある。 (外から見えるのはコピー。) 銅像に金が塗られているようだ。 ここの丸天井のモザイク画には驚かされた。何しろでかい建物なので、その天井の面積も尋常ではないのだが、その一面がモザイク画で埋め尽くされている。 要するに細かな石をひとつずつ埋め込んで複雑なグラデュエーションまで施された絵が描かれているわけなのだ。 私はイタリア人はこうした「毎日少しずつ仕事をしていけば、いつかは終わる」といった考え方をあまり持たないのではないかと感じたのだが、それは大間違いであった。 特にエジプトのピラミッドなどとは違い、こういう絵を描いているのは非常に高貴な一流の職人達のはずである。 O 氏が、イタリア人のこうしたエネルギーがどこから生ずるのか不思議がっていた。 多くの場合、こういう文化は戦争が終わって平和が訪ずれた時に生じるものだと思うのだが、確かに歴史的にはそういう感じだったらしい。 モザイク画だけではなく本物の馬の像が飾られていた部屋の聖歌の楽譜にも驚く。 ところどころの頭文字が絵文字とかひげ文字になっているのだが、それがやはり尋常ではないのだ。 (この手の楽譜はそれ以後もいくつかの場所でみかけた。)

その後、サンマルコ広場の喫茶店に入ってジュースを飲む。観光地料金とは言 え、200cc のジュースが L.10.000 (800 円) くらいする。たまたまかもしれ ないが。

Lido 島

再度船に乗って Lido 島に行く。 ここは「ベニスに死す」という映画の舞台にもなった高級リゾート地。 船を降りてから対岸まで行くと海水浴場が広がっている。 後で聞いた話だが、ここらはホテルのプライベートビーチだけれども、別に入っても怒られないとのことである。 また、海岸沿いにずっと歩いていけばパブリックなビーチもある。 時間もなかったので、対岸に着いてから来た道を引き返す。合計で 30 分弱。

そこから本島の方に戻り、再度船で駅の方に戻る。 途中でどんどん暗くなりはじめ、駅に着く頃には夜景が綺麗だった。ここで帰りの電車の切符を買った後、O 氏が次の週に奥さんと泊まるためのホテルを探す。 駅から出て左の方の路地に入ると沢山のホテルが並んでいるのだが、目的の場所を探すのには苦労した。

全体としての感想だが、やはり船に乗って周りの風景を眺めていたりするときが、一番気分に浸れるような気がする。 春先にはカーニバルが開かれるそうだが、その時期にもう一度来てみたいものだ。

おまけその一

5/11 早朝だったかに 普通の車にハリボテを被せて戦車の形にしたものに乗り込んだ 10 人程の人に Venezia が に占領されるという事件があった。 要するに Venizia のイタリアからの独立を求めたものだったらしい。 イタリアが一つの国にまとまってからまだ 100 年くらいしかたっていないわけだが、国よりも故郷を愛する心というのは今でも強いのだろうか。 もっとも彼等は Venezia ではなくモンターニャの方の出身だということだ。

おまけその二

Venezia の公衆トイレは多分殆どが有料である。 目立つものには W.C. AMEV とかいう共通の表示がされているので、同じ会社が管理しているのだろう。 料金は一回 L.500 で、500 リラ玉を持っていれば問題はないが、カードを買うことも出来る。 L.1000 で2 回入れるものと、L.5000 で 10 回入れるものとがあった。 入口と出口の間にカードやお金を入れる機械があり、それにカードを挿入すると、入口のランプが青に変わって入れるようになる。 色が変わるまでちょっと時間がかかる。 私が入った所では洗面所では足の下のボタンを踏むと水が出るようになっていて、気付くのに時間がかかった。


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