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イタリア語とフランス語

イタリアに着いて次の日に、Fiscareというのを貰いに行った。 その日は私を呼んでくれた人は Vicenza に行く日だったのだが、代わりに、やはり前々日に Padova に来たフランス人の女の子 (以下代数解析の人達に倣って C ちゃんと呼ぶことにする) がホテルまで迎えに来てくれて、一緒に行くことに。

前日に教えてもらっていた場所の門の前で、バイクに乗ったおっちゃんに正確な場所を聞いたのだが、その人は駅の近くの全然別の場所にあるという。 地図を見せると歩いて 30 分はかかりそうな位置を指差してくれる。 C ちゃんが、「知り合いがこの近くだと言ってたんだけど」などと反論していたのだが、自信を持って「いや、こっちだ」という。 そうこうしている内に、別の大学関係の人と思われる人が「なんだなんだ」という感じで様子を見にきたので、聞いてみるとやっぱり隣の建物だった。 一般に「イタリアの人は非常に親切だけれど、たまに間違ったことでも自信ありげに答えるので、ちょっとばかし注意が必要だ」とは聞いていたのだが、いきなり実例に会うことができて幸せである。

無事に fiscare の事務の部屋に着いてからも C ちゃんに頼りっぱなしで、いろいろと意思の疎通に問題はあったものの、最終的には二人とも fiscare を貰うことができた。 そういうわけで C ちゃんには頭が上がらない。 その内、日本にも来るらしいから恩返しせねば。

ここで興味深いのは、C ちゃんはイタリア語を喋ってた訳ではないということである。 バイクの人にも事務の人にも彼女はフランス語で話していた。 一方、バイクのおじさんも事務のおじさんもフランス語は喋れないみたいだった。 にも関わらず何か話が通じているのである。 ちょっと驚きだった。 C ちゃん自身も面白がっていて「お互いに approximation してるのよ」とか言っていたのだが、確かにイタリア語とフランス語には似ている単語が多い。 イタリア語の語尾の母音を適当に削れば、そのままフランス語になるものだって多いんではなかろうか。

唯一問題になったのが苗字と名前の区別で、イタリア語だと姓は cognome (di nascita), 名は nome になるのが、フランス語だと、名が prénom で、姓が nom (de famille) となって、nom の頭に変なものがくっつくのが逆になっている。 これ以外は割と順調に進んだのだから、凄いものだと思う。 (最近、ローマ人の物語 III を読んでいたら、この辺りの事情が書かれていた。 ローマでは男の名前はプレノーメン(個人名)、ノーメン(家門名)、コニョーメン(家族名)という三つの部分からなっていたらしい。 例えば、ガイウス・ユリウス・カエサルのような感じ。 一見違うように見えても根は同じだったわけだ。 ただ、その後の枝分かれの仕方が、何となく各々のお国柄を表しているようで(まあ、気のせいだと思うけど)面白い。

ところで、日本人にとっては、いくつかの点でイタリア語の方がフランス語よ り も簡単であるように感じる。思いつくままにいくつか挙げると、次のようなものがある。

特に一番目と二番目はかなり嬉しいんではないかと思う。 第二外国語でフランス語を選択した人は第三外国語にイタリア語というのもよいかもよん。:-) ということを書いていたら、とあるイタリアで仕事をされている方から「イタリアでは複雑な動詞の活用を駆使できることが教養の基準の一つとされているので、活用が単純というのは誤りではないか」という指摘を賜りました。 なるほどー。


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