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[Arena の絵](1586bytes)

Verona

今回の訪問で行ったイタリアの町では Verona が一番印象が深かった。 理由はいくつかあるのだが、この町を逆S字型に流れるアディジェ川 (Fiume Adige) という川沿いの風景の美しさもその一つである。 アルプスに源を発っするこの川は、Padova の運河などに較べてずっと大きいにもかかわらず流れは速い。 Vecchio 城のある Scaligero 橋Scaligero 橋の下の川浜の石ころの上での昼寝が、若干痛かったけれど非常に気持ちよかっ た。

朝 9:35 頃に Padova を出る。 近いのでICは使わず IR というやつで行く。 L.7400 で、丁度一時間で Verona に着いた。 因みに IC だと + L.5000 で 10 分から 15 分程早く着く。

まずは Information で地図を貰って観光に。 駅を出て Pizzale Porta Nuovo という門の脇を通って Corso Porta Nuovo という銀行やホテルがたち並ぶ大 通りを真っ直ぐに進むと、10 分程で、この町のシンボルである anfiteatra Arena に着く。

円形劇場 (Arena)

ラテン語で砂のことをアリーナというらしい。 この劇場の真中の部分は下に砂がひかれていて、その上に 1m 程の高さ桟敷がのっかっている。 アリーナ席という名称はここから来ているそうである。 何故砂がひかれているかというと、この劇場が作られた一世紀の頃は動物対動物、人対動物、人対人の闘技場として使われていたためである。 そんな古い建造物が今でもオペラの上演に使われているというのも驚きであるが、その大きさにも感動する。 現在は地震で外周部分が壊れたために二万人しか収容できないそうだが以前は三万人は入れたそうである。 (外周部分の一部は今でも残っている。) Verona のホテルの全ベッド数を合わせても 5000 くらいにしかならないそうなので、例え観客の一部が地元の人だとしてもこれだけでは全観客数を収容できず、隣町に宿を取らなくてはいけない人が出るらしい。 無論最近の○万人収容の野球場なんかと較べれば小さいのであるが、周囲の石から感じとれる歴史の重みを考慮すれば、感慨に浸れること間違いなしである。 因みに観光客はドイツ人が多く、そのためオペラの上映の際にはイタリア語、ドイツ語、フランス語、英語の順にアナウンスがあるらしい。

残念ながらオペラが上演されるのは夜でも暖かい 7 月から 9 月までの間で、私が行ったときはオフシーズンだったわけだが、舞台のセットは既に準備が進んでいた。 前年に引き続いてカルメンが上演されるみたいだった。なお、ここは 15 時には閉まるので、入るなら早めに入ってしまった方が良い。

ここから、この町の目抜き通りである Via Giuseppe Mazzini を真っ直ぐ進むと Erbe 広場に出る。

Erbe 広場 (Piazza delle Erbe)

細長い楕円形の広場に所狭しと出店が並んでいる。 日用品なら何でも揃いそうな感じである。昼を過ぎても沢山の人で賑わっていた。 また、この広場の真中には 14 世紀に建てられた Madonna di Verona と呼ばれる可愛いい像のある噴水がある。

そこから アディジェ川の方に歩き、Ponte Pietra という橋を渡ると Teatro Romano に着く。 これも非常に古い劇場ながら今でも使われているそうである。 ただ、私が行ったときは中には入れなかった。 外から見ても面白そうなところだっただけに残念。

アディジェ川 (Fiume Adige)

仕方ないので、アディジェ川沿いを散歩することに。 この川はアルプスを源にし、Verona を逆S字型につっきるかなり大きな川である。 それまでイタリアで見たのは川というよりは運河というべきものが多かったのだが、この川は流れも速く、川沿いの景色も非常に美しかった。 Verona という町の印象は「落ち着いた町だなあ」というものであるが、これはこの川沿いの風景が大きく影響しているように思う。

Vecchio 城

Teatro Romana から駅に向かう感じで川沿いにずっと進むと、河畔に美しいお城が見える。 これが Castelveccio である。 城からは Ponte Scaligero という橋が出ており、これもまた素晴しい。 この橋は第二次対戦のときに壊されたそうだが、その後、市民の手で再建されたということだ。 もともとは 14 世紀のものらしい。 冒頭でも書いたのだが、ここの河辺の石ころの上での昼寝が気持良かった。 何故かしらないが椅子も置かれてたので,そこに座って水辺の鳥たちの観察もしてみたのだが、人間を怖がらないためかなり近くで見ることができて面白かった。

城の内部には市立美術館もあるので中に入ってみる。 入口は橋の城の川の橋にある広場に降りた後、川に向かって右の端にある。 (結構分かりづらい。) ここで券を買うのだが、美術館自体の入口は、そこから古代の遺跡みたいなものが置かれている部屋を過ぎたところにある。 地面階には教会のフレスコ画の下書きみたいなものも置かれていて興味深い。 ここにはちょっと色褪せてしまったような絵が多いのだが、そこから二階に上がると今でも綺麗に保存されている絵も多く展示されていた。 で、見終わって帰ろうとすると、おじさんに呼び止められた。 まだ部屋が 7 つ残っているよと言う。 実は二階には外に出るドアがあるのだが、その向こうにも部屋があるのだった。 Tiepolo の絵もあるよとか言うので行ってみると実はこっちがメインであることに気付く。 うっかり見逃すところだった。 イタリアにいると、どこに行ってもこれでもかというくらい沢山の美しい絵があるのには驚かされる。

Vecchio 城のところから反対側の川岸を進む。脇の階段を登ると川を眺めながらの散歩ができるようになっている。 で、暫く歩いて Via S. Giuseppe に出たところでこの道を進むと San Zeno Maggiore 教会に着く。 入場券売場は右隣りの教会に向かい側にあり、いくつかの教会の共通入場券が買える。

Chiesa di S. Procolo & Basilica di S. Zeno

この二つの教会は並んで建っているのであるが、小さい方が Chiesa di S. Procolo である。 ここの地下には棺とかが置かれていて面白い。壁の絵は殆どはげていたが。

S. Zeno は 11,12 世紀頃のロマネスクの教会らしい。 正面の扉の上のブロンズの浮き彫りが必見である。 また、入口の上の 12 枚の花びらをかたどった窓も綺麗だった。 二階のフレスコ画は青色が非常に美しい。また、絵が一部はげているところを見てみると、その下にも別の絵が描かれていたりして興味深い。

そこから再度 Scaligero 橋を渡って Erbe 広場まで戻る。 橋の所で鼓笛隊のパレードを発見する。 どうやら円形劇場の前の広場で何かあるみたいだった。 が、それは後で確かめることにして、そこからジュリエットの家まで行く。

ジュリエットの家

なんでここにジュリエットの家があるかというと、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台となった土地だからなのだが、本当にジュリエットが実在したかは別としても、家の前にはジュリエットの像があり、ちゃんとバルコニーまである。 家の前には日本語の説明なんかもあり、日本人の女の子もこういうのが好きそうだなあとか思いつつ中に入ってみる。 はっきり言ってあまり大したことはないのだが、かなり上まで登れるので、向かいの家のテラスなんかも見えて、そっちの方が面白かった。 因みに「地球の歩き方」を見ると、ジュリエットの像の右胸に触ると幸せな結婚ができると書かれている。 実際、右胸は沢山の人が触ってピカピカだったし、ちょっと見ている間にも数人の人が触っていくのが観察された。 人が周りに沢山いる中で触るのはなかなかに恥ずかしいものがあり、二人連れの男の人なんかで、照れ隠しにわざとバンッとかいう大きな音をさせて触っていく人もいた。 私も無茶苦茶恥ずかしかったが、これも結婚のための試練(何じゃそりゃ) のためと思い我慢して触る。

フラッグダンス

そこから Arena まで戻ると鼓笛隊のパレードの原因が分かった。 各鼓笛隊は Itaria の各地方から来ていて (といっても全部で 8 グループくらいだから近辺からしか来ていないのかもしれないが) 各々のグループが旗を持って踊り, その得点を競うという競技だったのである。 後の鼓笛隊の演奏に合わせて 4 人から 8 人くらいまでの人が, 大抵は一人二つの旗を持って踊り, 途中でその旗を投げ上げて交換するというのが基本みたいだ。 一つの旗は 1.5m くらいで大きく, それを時には 8 m 近くの高さまで放り上げて交換する姿はなかなか壮観である。 それもえいやっという感じで投げるのではなく 遠心力でいつの間にか投げられているという感じで美しい。 勿論普通は旗の柄のところを持っているのだが, 遠くに投げる場合には直前に旗をすべらせて旗の先端に持ち換えて回転させ, 適当なタイミングで離すことにより投げているようなのである。 人の配置も途中でいろいろ変わり, 時には円形に, 時には三角形にところころ変わる。 また旗を交換する相手も変わる。 風が吹いている中, 遠くの相手に正確に投げ, きちんと受け取ることが出来るかということなどで得点が競われるようだ。 下手なグループだと途中で何回か旗を落とす場面が見られるが, うまいグループは受け取るときにも殆ど位置を変えずに奇麗に受け取る。 特に遠く同士で美しく交換できたときには拍手が起きる。 演技する方もダンスの途中は緊張しているみたいだが, うまく出来たグループなど終わって退場すると大袈裟に喜んでおり, やはりイタリアだなあと思わせる。

後から他の人に聞くとこのダンスはこの地方独特のものらしいのだが、通常は 一組しかやらないらしく、沢山のグループが見れたのはラッキーだと言うこと だった。

ヴェローナを一言で言うと、「落ち着いた美しい町」である。(オペラのオフシーズンだったということもあるのだろうが。) できればもう一度尋ねてみたいと思う。


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