ゼータ関数やその兄弟であるL関数は、いつの時代でも整数論の中心的な話題で あり、それらに関する様々な予想が未だ未解決である。 分野を越えて著名なものは、零点の分布についてのリーマン予想であろうが、そ れ以外にもBirch and Swinnerton-Dyer予想など特殊値に関する予想が知られて いる。
これらの予想は、数論幾何学において対応する予想を生みだし(例えばWeil予想や Tate予想)、またその解決のためにGrothendieckやDeligneなどにより数論幾何 学の理論が大きく発展した。
他方、リーマン予想の本質を探るために、今日 Selbergゼータ関数といわれる幾何学的なゼータ関数がSelbergに より定義され、この幾何学的なモデルについてはリーマン予想の類似が成り立つ ことが示された。
また日本人の数学者もゼータ関数の解明に大きな貢献をしている。そのうちの一 つが志村及び谷山による、楕円曲線から得られる数論幾何学的なL関数は、 保型形式から得られる解析的なL関数となるであろうという予想である。(志村ー 谷山予想)。これは後にLanglandsにより、もっと一般的な枠組みで定式化され、 今日Langlands対応(あるいはLanglands予想)といわれている。また、岩澤によ りゼータ関数を代数的に捉えるという、今日岩澤理論と言われる理論が創始され、 現在ゼータ関数の研究には不可欠の理論となっている。またこれらの理論がフェ ルマー予想の解決に重要な役割を果たしたことは記憶に新しい。
私の研究はSelbergの流れを汲むものである。最近、3次元双曲多様体の理論と 整数論の理論がその構造においてきわめて似ている事が認識されつつある。特に、 岩澤理論の定式化が、ほとんどそのまま3次元双曲多様体について成り立つ事が 示される。このような事実から、数論の問題の本質を俯瞰するために、まず3次 元多様体においてその幾何学的なモデルを構築し解明することにより、本来の数 論の問題の解決に貢献しようというのが、研究の大きな目標である。
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