簡単なプログラム(その15)
定数と定数宣言部

kantan15のfor文では、「10」が最終値でした。しかし、プログラムの中でこのような「10」とか「20」といった具体的な値を書くのはあまり良い書き方とはされてません。このように具体的な値をプログラム中に書くのではなく、定数定義部を利用して抽象化して記述する方が良い書き方だとされています。

定数定義部により、1という定数値に「ini」という名前がふられ、10という定数値には「fin」という名前がふられているわけです。定数定義部の一般形は次のとおりです。

定数宣言部は変数宣言部より前に位置しなければならないという規則があります。つまり、プログラムは

という構造になっているわけです。

例題1.2 最大値

「五個の正の実数を順に読み込んで、それらのうちの最大値を出力せよ。」

教科書に載っているプログラムはkantan13のプログラムとほとんど同じですが、前述の定数宣言を用いている点などが異なっています。

「writeln;」は、writeln文の特殊な形で、引数の個数が0個の場合です。これは、何も出力することなしに、画面のカーソルの改行だけを行うというものです。

が上記のプログラムの実行例です。上のプログラムから、「writeln;」を省くと、次のように動作します。

みてわかるように、入力された実数の表示されている行と最大値が出力されている行との間になにも出力されていない行が入っているかいないかという違いがあります。


文法 実数

記号のなかで数というグループがあり、それは整数と実数のグループからなることは既に説明しました。ここではこの実数という記号について説明します。

実数という記号は次のように表わされたものです。

但し、<符号>は、+か-か何も書かないかのいずれかです。


文法 論理型、論理値、論理演算子

論理型は判断を表現するデータの種類である。論理値は論理型の値のことで、論理値は

     true 
     false

の二つだけである。論理型の型名は

    boolean
である。

整数型や実数型と同様に、論理型においても論理型の変数を宣言することができる。

    var b1,b2:boolean;

+や-や*などを演算子と呼ぶ。論理型の式を結ぶ演算子には次のようなものがある。

    論理演算子  not and or
    関係演算子 = <> <= >= < >

not a

a and b

a or b

関係演算子の値は、次のような大小関係によって決まる。

文法 整数型

整数型の定数や変数の値がとる範囲は、数学の整数とはことなり有限である。

整数型の名前は、integerである。

整数型の式を結ぶ演算子には次のようなものがあります。

既定関数、もしくは、標準関数という、あらかじめ用意されている関数がPascalには定められています。整数型の式を引数とする既定関数には次のようなものがあります。

あとあらかじめ用意されてている定数名として、規定定数名というものがPascalにはあらかじめさだめられていますが、整数型のものとしては

があります。これは、整数型の値のとりうる最大の値です。処理系によって異なります。

文法 実数型

実数型の定数や変数の値がとる範囲は、数学の実数とはことなり有限です。

実数型の名前は、realです。

実数型の式を結ぶ演算子には次のようなものがあります。

既定関数、もしくは、標準関数という、あらかじめ用意されている関数がPascalには定められています。整数型の式を引数とする既定関数には次のようなものがあります。

以下の結果の型は実数型です。

あとあらかじめ用意されてている定数名として、規定定数名というものがPascalにはあらかじめさだめられていますが、整数型のものとしては

があります。これは、整数型の値のとりうる最大の値です。処理系によって異なります。