制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置。
制御装置:記憶装置に保存されたプログラムを読み出し、解読して、各装置に指示する。
演算装置:整数や小数の加工・計算を行う。レジスタと呼ばれる小規模のデータを記憶する機構も持つ。
記憶装置:データやプログラムを記憶する。たくさんの保存場所をもちそれらは番地(アドレス)がふられている。他の装置は番地を指定して、データの格納・読み出しをおこなう。
入力装置、出力装置:外界との接点(「インターフェース」)となる装置。
記憶装置にデータもプログラムも記憶装置に保存するようなコンピュータ。記憶装置に格納されたプログラムを変更することによりいろいろなことができるようになる。
概念的には巨大な「そろばん」である。各装置は「そろばん」の桁番号を指定してその情報を読み書きする。桁番号がアドレスと呼ばれるものである。「そろばん」は各桁に保存されている数が0〜9であるが、記憶装置は0〜255である。
記憶装置をはじめとして、計算機の内部では、情報は2進数で表現された非負整数として表現されている。2進数により情報を表現すれば0と1だけでよく2とか3は必要でなくなり、電気回路の中では都合がよい。
ビット(bit:binary digit)は2進数の桁1つのこと。
(例文)「某社のPHSは1秒間に9,600ビットの情報を送信できる。(9600bps = 9600 bit per second)」
ちなみに「32ビットコンピュータ」とか「64ビットコンピュータ」とかいうことがあるが、これは演算装置が扱う情報の基本単位のビット数である。
バイト(byte)は、8ビットのビット列のこと。アルファベットや記号は1バイトで1文字表現できる。漢字は2バイト必要。制御装置が読むプログラムの1命令は2バイト(32ビット)程度である。
入力装置:キーボード、マウス、CDROMドライブ、デジタルカメラ、マイクなど
出力装置:CRT(ブラウン管)、スピーカーなど
両方:フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスク
(注意)フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなどを「補助記憶装置」または「二次記憶」と呼ぶ。これらは情報を記憶することが目的の「記憶装置」であるが、前述の構成要素の中では記憶装置ではなく入出力装置に分類する。
番地を指定して、その番地に情報を格納したり、番地を指定してその番地に格納された情報を取り出してきたりできる。
一般に、32ビットコンピュータの場合、番地は32ビットの整数が用いられることが多い。
制御装置は、主記憶装置(メモリ)に保存されているプログラムを解読し、各装置に指示をあたえて適切な処理を進行する。プログラムで使用される命令の種類(機械語)は計算機により違いがある。
機械語(計算機が解読する命令体系)は計算機が解読しやすいように作られていて、人間が使用するのは大変である。そのため、通常は、(高級)プログラミング言語と呼ばれる人間に使いやすい言語を用いてプログラムを記述して、それを、機械語のプログラムに変換して、計算機に与える。
プログラミング言語で記述されたプログラムを機械語プログラムに変換することをコンパイルと呼ぶ。この変換を行うプログラムをコンパイラと呼ぶ。
また、インタープリタと呼ばれるプログラムにより、高級プログラミング言語で記述されたプログラムを一行一行読みながら実行する方法もある。
高級プログラミング言語には目的に応じていろいろなものがある。
Fortran: 数値計算のプログラム。○×物理学のシミュレーションなど。
Lisp: 記号処理。エキスパートシステム。
COBOL:事務処理プログラム。会計処理や成績処理。
C,C++,Java:大抵のことがそこそこにできる。もともとはオペレーティングシステムのプログラム用。
Pascal:教育用。計算の仕方を論文で説明したりするときにも使われる。産業界ではこの数年あまり使われなくなった
プログラムを抽象的にとらえて指す言葉。ハードウェアの対義語。
(注意)二つの分類の境目はあいまいである。
システムソフトウェア
オペレーティングシステム:ハードウェアと利用者の間に存在して、各装置を扱いやすくする。縁の下の力持ち。
エディタ:プログラムや文書を作成する。
コンパイラ:高級言語プログラムを機械語プログラムに変換する。
アプリケーションソフトウェア
ワードプロセッサ:文書をきれいに作成する。
データベース管理システム:蔵書目録など。
数式処理ソフトウェア:因数分解、不定積分。
等々
Copyright:Shin-ya NISHIZAKI,1996.