電脳砂漠
ジョージ・アレック・エフィンジャー
今やフリートレンダー・ベイの片腕(実は孫)としてブーダイーンの大物となったマリード。インディハールとの新婚生活もうまくいってないが、パパの宿敵アブー・アーディルの動きも気になる。
高官シャイフ・マハリーのパーティーに呼ばれたマリードとパパはアブー・アーディルの罠にかかって、殺人犯として悪徳警官ハージャルにつかまってしまう。追放刑を宣告された二人が送還された先は「空白の区域=ルブー・アルハーリー」。すなわちアラビア砂漠。ハージャルとアーディルへの復讐を心に二人は脱出を絶望的な決意する。
マリードの必殺 苦痛遮断ダディーのおかげで二人は窮地を乗り越えるのだが「払い戻しは地獄」。マリードは意識不明となるまでパパを背負って歩き続け、意識不明のところをバニー・サーリム族に助けられる。
砂漠の民(ベドウィン)のバニー・サーリム族との旅を通してマリードの世界観が広がっていく。もはや単なる電脳ハードボイルドといった枠をはるかに越えた物語である。
前作から登場のマリードの奴隷クムーズ君がとってもいい感じである。今回は前半の舞台がルブー・アルハーリーである関係から活躍が目立たないがやはりここぞというところで一番頼りになる男である。
この作品は発表前に一度ネット上に無料で公開され、そこでの意見をもとに作者によって手直しが行われた小説であるのだが、筒井康隆の「朝のガスパール」とはその意図自体が異なるものである。 なぜか絶版。