野鳥 (やてふ, YaTeX) とは Emacs/Mule の上で動作する LaTeX の入力支援環境です。
Emacs/Mule からタイプセッタやプレビューワを起動出来るだけでなく、LaTeX の原稿を書く際の入力を支援してくれます。 同様の機能を持つものとしては AUC-TeX がありますが、YaTeX は作者が日本人の方なので、ドキュメント等が日本語で書かれているという利点があります。 日本語で質問できるメーリングリストがあるのも嬉しいです。
もっと詳しく知りたい方は、 本家あるいは YaTeX World (Yet Another LaTeX mode for Emacs) などを御覧下さい。
最近、作者の広瀬さんの書かれた Emacs Lisp の本も出版されました。 皆さん買いましょう。
なおオリジナルは、上のウェブページとか ftp なら ftp.ae.keio.ac.jp とかから取ってこれます。
neumann を使ってる人なら、以下の設定を (といっても不必要な設定も多いけど) .emacs
に書き込みます。
次回に Emacs/Mule を起動した時点から使えるようになります。
他の人は、上の場所から取ってきて、自分でインストールしましょう。
手順も日本語で書かれているので、簡単です。
;;;; YaTeX configuration option (setq load-path (append (list "/usr/local/lib/mule/site-lisp/yatex") load-path)) (autoload 'yatex-mode "yatex" "Yet Another LaTeX mode" t) (autoload 'yahtml-mode "yahtml" "Yet Another HTML mode" t) (setq YaTeX-help-file "/usr/local/lib/mule/site-lisp/yatex/YATEXHLP.jp") (setq tex-command "jlatex") (setq section-name "documentclass") ;; プレビューワ、プリンタの設定 (setq dvi2-command "xdvi -geo 900x726+0+0 -s 3 -display $DISPLAY") (setq dviprint-command-format "lprdvi %f %t %s") ;;;; YaTeX configuration ends here.
更に以下のような変数も設定したくなるかもしれません。 より詳しくは、Info の中の YaTeX の項目を見て下さい。
(setq YaTeX-kanji-code 3); TeX ファイルは EUC で。 (setq YaTeX-auto-math-mode nil); 動作が少し速くなるかも。 (setq YaTeX-help-file "/usr/local/lib/mule/site-lisp/yatex/YATEXHLP.jp") (setq YaTeX-no-begend-shortcut t); すぐに環境補完に入る。 (setq section-name "documentclass"); section コマンドのデフォルト (setq YaTeX-use-AMS-LaTeX t); AMS-LaTeX を使う場合 t にしておく。 (setq YaTeX-hilit-sectioning-face '(slateblue/gainsboro)) (setq YaTeX-math-sign-alist-private '( ("q" "quad" "__") ("qq" "qquad" "____") ("ls" "varlimsup" "___\nlim") ("li" "varliminf" "lim\n---") ("il" "varinjlim" "lim\n-->") ("st" "text{ s.~t. }" "s.t.") ("bigop" "bigoplus" "_\n(+)~") ("bigot" "bigotimes" "_\n(x)\n ~") ("pl" "varprojlim" "lim\n<--"))) ;;; yahtml 用の設定 (setq yahtml-www-browser "mosaic"); yatex の html モードで起動するビューワ (setq yahtml-path-url-alist ; ホームページの連想リスト '(("~/public_html/index-j.html" . "http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~matsu/public_html/index.html"))) ;; html ファイルを編集する際の自動折り返し桁数 (add-hook 'yahtml-mode-hook '(lambda () (setq fill-column 78)))
M-x yatex-mode で YaTeX mode になります。拡張子が .tex
のファイルを読み込んだ場合に自動的に YaTeX mode にするには auto-mode-alist に
("\\.tex$" . yatex-mode)
を加えます。 ついでなので、私の .emacs の中からこの部分に関係する部分を抜き出しておきます。
(setq default-major-mode 'text-mode) ;; 私は普通の文章を書く方が多いので。 (setq text-mode-hook 'turn-on-auto-fill) ;; Text mode では自動行折返し。 (setq auto-mode-alist (append '(("\\.tex$" . yatex-mode) ("\\.html$" . yahtml-mode) ("\\.txt$" . indented-text-mode) ("nifty.[a-z]*$" . xcscript-mode) ("\\.sgm$" . ramdb-mode) ("\\.sgml$" . sgml-mode) ("mail[0-9]*$" . text-mode) ("pad[0-9]$" . text-mode) ("\\.new$" . text-mode) ("\\.sht$" . spread-mode)) auto-mode-alist))
私が個人的に当てているパッチです。3つあります。万人向けではないので、中身が分かる人だけ当てて下さい。(^^;;
と言っていましたが、下の yatexhks.el の中身も含めて次のリリースに取り込んでもらえるようです。 ということで、リリースされたら消すことにします。 あ、fontsview の方は入ってないので、その部分は残しますが。
fill の禁止に equation 環境とかを追加
array 環境に cases や matrix なんかを追加
YaTeX-insert-braces などを YaTeX-insert-amsbraces なんかに入 れ換えて、\{ や \bigl なんかにも補完が 効くようにした。
[prefix]-( なんかに
YaTeX-insert-amsparens-region
などの命令を追加。これは region を \bigl( と \bigr) 等で囲むとき
に楽しようというコマンド。知らないで使うと、危険かもしれない。
インターフェースに工夫の余地がありそう。
YaTeX-change-parentheses
を追加した。この関数の実体は下の
yatexhks にある。
コンパイルコマンドに f を追加。
個人的に、これに YaTeX-fontsview
と
いうコマンドを追加して、AMS なんかの数学記号だけを集めた
dvi ファイルを表示させるようにしている。だって、いちいち
本を見るのは面倒なんだもん。
上で追加した YaTeX-fontsview
とい
うコマンドを追加。
yatex-fontsview-command にプレビューコマンドを、
yatex-fonts-dvifile にプレビューする
dvi ファイルを指定しておくと、そいつを見れるようになってい
る。
YaTeX-konという変数の値を t にす
れば、Linux の kon の上で野鳥を使っている時に dviout でプ
レビューできるようにした。単に newvc というコマンドを狭ん
でいるだけだが。これを使う時は、下の
yatexlib.el.path
も当てる必要がある。
AMS-LaTeX 対応の補強。 大きなお世話と思えるようなこともしてあったりします。
Patch ではないけど、私の
yatexhks.el
です。
yatex.el
に上のパッチを
当ててある状態で、\Bigl( ... \Bigl)
などのような括弧の上で
[prefix] c とやって続けて、
l,L,h,H,r,nの中から適当に
選択すると、括弧の大きさを変更できます。ただし
YaTeX-use-AMS-LaTeX を t にしておか
ないと、有効になりません。
上で、.html
という拡張子に yahtml-mode というのを対応させていますが、これは、野鳥と同じ感覚で html ファイルを記述することが出来るモードです。
html ファイルを記述する際に使われるものには他にhtml-helper-mode だったかというものがあります。
私は野鳥を使う感覚で使えるため、yahtml の方を使っています。
こちらの方がより賢い便宜を提供してくれるように思いますし。
このページも勿論これを使いながら書いてます。
いろいろと便利なのですが、特に [prefix] g でタグジャンプ出来るのが結構嬉しかったりします。
お試しあれ。