2000 千葉大学サマースクール 高校生のための現代数学案内
--- さまざまな数 ---

数学は、昔も今も、“数”について、あるいは“数”を基礎として ウンとチクを傾けて議論する学問です。 その中には、ごく親しい数もいれば、気難しい顔の数もいます。 今でも数学者は数について研究し、新発見が起きているのでしょうか?

そうなのです。

“n が 3 以上の数ならば

Xn + Yn = Zn

を満たす XYZ ≠ 0 であるような整数 X,Y,Z は存在しない。”

というのは 1650 年頃にフェルマーという数学者によって予想され、 やっと 1996 年になってワイルズ(とテーラー)によって証明された有名な事実ですが、

X4 + Y4 + Z4 = W4

を満たす正の整数 X,Y,Z,W も存在しないだろう。

という予想(1750 年頃にオイラーによって提起されています)も 長い間の未解決でした。

これには 1990 年に反例

187967604 + 26824404 + 153656394 = 206156734
がエルキースによって与えられ、オイラー以来250年を経て否定的に解決しました。

これらの快挙の陰には、設定された問題だけを限定して考えるのではなく、 数の概念を拡張したり、新しい視点を導入したりして、 大きな視野の中で問題を捉え、その問題の困難さがどこから 来ているかを解明する長い道のりがあります。

今年のサマースクールでは、この“大きな視野で数をとらえる”ために、 数をさまざまな角度から考察します。

たとえば、正5角形は定規とコンパスによって作図できますが、正9角形は 作図できません。この事実を示すには、2次方程式を複素数係数で考察すること が必要になります。

その他、数の世界のさまざまな不思議をお見せまします。

今年の夏は、千葉大サマースクールに参加して、数の世界を体験して下さい!


連絡先:
〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町 1-33
千葉大学 理学部 数学・情報数理学科 「サマースクール」係
fax: 043-290-2733, tel: 043-290-2727
mail: summerschool@math.s.chiba-u.ac.jp

申込方法:
サマースクール「高校生のための現代数学案内」聴講希望、と書いて

(1)氏名、(2)在学高校、(3)学年、(4)住所、(5)電話

および、聴講希望理由(形式自由)を添えて、上記 fax または e-mail または郵送で申し込む。

全日聴講を原則とします。

申し込み締切: 7月12日


講義の目的: 高校段階の数学と、“現代数学”との間には大きな開きが あります。大学で数学を学ぼうとしている人、また、今発展 しつつある数学の姿に興味を持っている人に、現代 数学のイメージをつかんでもらうことを目指します。

募集人員:20名(高校在校生)

実施場所:千葉大学(西千葉キャンパス)けやき会館会議室2

日程:8月7、8、9、10日

各日とも、10:30 --- 17:00

講師:学内

志賀 弘典 (千葉大学、自然科学研究科、教授)

安藤 哲哉 (千葉大学、理学部、助教授)

今野 良彦 (千葉大学、自然科学研究科、助教授)

浪川 幸彦 (名古屋大学、多元数理科学研究科、教授)

桂  利行 (東京大学、数理科学研究科、教授)

予定:

各日とも、午前に基礎講義(志賀担当)、午後に自由講義と演習を行います。

8月7日(月)

13:30 - 15:00 自由講義 桂[2次体の整数]

8月8日(火)

13:30 - 15:00 自由講義 今野[確率と数(非線型統計モデルと被覆数)]

8月9日(水)

13:30 - 15:00 自由講義 浪川[√2 をどうやって計算するか]

8月10日(木)

13:30 - 15:00 自由講義 安藤[数学オリンピックの話題から]

講義の進め方:

講義のみではなく、演習の時間を設けて、 計算や論理を通して講義内容を実感できるようにします。

今年度は、整数や複素数などさままな種類の“数” について考察する講義を基本に、ゲストの学外講師 の講義も交えて、現代数学の幾つもの側面を知ってもらう ことを目的にしました。

申込に当たっての注意:

参加希望者は、参加希望理由を簡単に述べた文書を添える こと。万一、希望者多数になった場合の選考資料にします。

参加費:無料